2015年3月27日金曜日

●リヒテル 1954年クラクフ、1961年ブダペスト・ライブ 

 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番、リスト/ピアノ協奏曲第2番ほか

 


オルガヌム110039AL
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
リスト ピアノ協奏曲第2番、ハンガリー幻想曲
スビャトスラフ・リヒテル(p)
ボフダン・ヴォディチコ指揮クラクフ・フィルハーモニー管弦楽団
ヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立交響楽団
1954年11月12日、クラクフ・フィルハーモニック・ホール
1961年9月19日、27日、エルケル劇場、ブダペスト
ライブ モノラル

ORGANUM 110039.AL
Pyotr Ilyich Tchaikovsky
Piano Concerto No.1 in B minor, Op.23
Franz Liszt
Piano Concerto No.2 in A major, S.125
The Hungarian Fantasy for Piano and Orchestra S.123
Sviatoslav Richter, Piano
Cracow Philharmonic Orchestra, Bogdan Wodicko (Op.23)
Hungarian State Orchestra, Janos Ferencsik (S.125, S.123)
12.11.1954, Philharmonic Hall, Cracow (Op.23)
19/27.9.1961, Erkel Theater, Budapest (S.125, S.123)
Recorded Live  MONO

※リヒテルがポーランドとハンガリーに客演した際のライブ。1954年のチャイコフスキーは、当時の東欧の録音技術を考慮すれば良好な部類。西欧の基準では1940年代後半のレベルだが、テープ録音で破綻もなく、リヒテル壮年期の「凄さ」を実感できる音質。1961年のリストは、7年後の録音でもあり良好な音質。
リヒテルは1950年、チェコへ初めての国外演奏旅行を行ったが、亡命を警戒したソ連当局から西欧への演奏旅行は許可されず、1960年のフィンランド初訪問までの間、国外公演は旧共産圏各国のみであった。1954年のチャイコフスキーはポーランド公演の記録。2日前の11月10日にはワルシャワでリサイタルを行い、その際のショパンの録音が海外レーベルでCD化されている。1961年のリストは、9月にルーマニアとハンガリーをまわった際の記録。この年は7~8月に英国、10月にフランス(それぞれ初公演)と海外公演が続き、リヒテルが巨匠としての国際的評価を決定づけた時期の演奏。なお、ハンガリー幻想曲は、ブダペスト・フィルによる演奏とする資料もある。
リヒテルは上記CDのほかに、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を、1954年アンチェル/チェコ・フィルとスプラフォンに、1958年ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルとメロディアに、1962年カラヤン/ウィーン響と独グラモフォンにそれぞれスタジオ録音していたほか、1950年イワーノフ/ブルノ放送響(当レーベル・オルガヌム110020.ALでCD化)、1957年ラクリン/ソビエト国立響、1968年コンドラシン/ソビエト国立響とライブ録音していた。また、リストのピアノ協奏曲第2番を、1961年コンドラシン/ロンドン響と蘭フィリップス(本来の制作主体は米マーキュリーか)にスタジオ録音していたほか、この録音の直前に同じ共演者とライブ録音していた。ハンガリー幻想曲は、ピアノ協奏曲第2番と同じ演奏会のライブが残されている。当CDのチャイコフスキーの演奏は、数種あるリヒテルの録音の中でおそらく最速の演奏と思われる。

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2015年3月26日木曜日

●モントゥー/ニューヨーク・フィル ライブ

 ラヴェル「クープランの墓」、「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」

 


プレミエ60044DF
ラヴェル
「クープランの墓」、「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲
ピエール・モントゥー指揮ニューヨーク・フィルハーモニック
1959年3月7日
ニューヨーク・カーネギー・ホール
ライブ、モノラル

Premiere 60044DF
Maurice RAVEL
Le TOMBEAU de COUPERIN
RHAPSODIE ESPAGNOLE
DAPHNIS et CHLOE Suite No.1, No.2
New York Philharmonic
Pierre Monteux, conductor
7.3.1959, Carnegie Hall, N.Y.
Recorded Live MONO

※ニューヨーク・フィルとのラヴェル・プログラム。モノラルながら録音は優秀。このままステレオにしても通用する音質。
モントゥー/ニューヨーク・フィルは、我々日本人には珍しい組み合わせに見えるが、モントゥーは1927年に初めて同フィルに客演して以来、その後中断はあったものの、1943年以降1961年までほぼ毎年共演していた。特に、野外劇場ルイソン・スタジアムにおける夏のコンサートへの出演は恒例で、ニューヨーク市民に親しまれた。
当CDの1959年のコンサートは、三夜連続公演の3日目で、前半は「クープランの墓」、ヨゼフ・シゲティ独奏でバッハのヴァイオリン協奏曲ニ短調(チェンバロ協奏曲の編曲版)、「スペイン狂詩曲」が演奏され、後半は、再びシゲティ独奏でベルリオーズの「夢とカプリッチョ」、「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲が演奏された。
モントゥーは「クープランの墓」のスタジオ録音を残さず、現在確認されているのは当演奏のみ。「スペイン狂詩曲」は1961年英デッカにスタジオ録音、「ダフニス」全 曲を1959年英デッカにスタジオ録音、「ダフニス」第1組曲を1946年米RCAにスタジオ録音しているが、第1・第2組曲の形での録音は現在確認されてい る限り当演奏のみ。

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●クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルほか 1948年、1956年ライブ

 ベートーヴェン 交響曲第1番、第5番 1番は新発見


オルガヌム110024.AL
ベートーヴェン 交響曲第1番、第5番
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1948年9月11日、ミュンヘン大学講堂
1956年4月9日、ベルリン音楽大学講堂
ライブ モノラル

ORGANUM 110024.AL    
Ludwig van BEETHOVEN
SYMPHONY No.1 in C major, Op.21
SYMPHONY No.5 in C Minor, Op.67
Munchner Philharmoniker (Op.21)
Berliner Philharmoniker (Op.67)
Hans Knappertsbusch, conductor
11.9.1948, Aula der Universitat, Munchen (Op.21)
9.4.1956, Konzertsaal der Hochschule fur Musik, Berlin (Op.67)
Recorded Live MONO

※交響曲第1番は当レーベルが2012年に初発売。クナッパーツブッシュは同曲を戦前に3度ほど演奏した記録があるが、戦後は、当演奏を含む9月11日と12日の2回のみしか取り上げなかったと思われる。5番はこのほかに1962年フランクフルト放送響とのライブ録音が残されている。
第1番のオリジナルの音質は良好とは言い難く、ハムノイズやヒスノイズが音楽全体を重く覆っており、演奏も鈍重な印象があったが、今回のプレスから音質改善が図られ、音質に配慮しつつ、これらのノイズが大幅に低減された。その結果、やせ気味で貧相に聞こえた弱音部に豊かなニュアンスが感じられるようになり、多くの既出盤と比べて演奏のイメージが変わった。また、各所のドロップアウトやクリックノイズも解消されている。一方、第5番もヒスノイズが多い音源だったが、こちらも改善されている。
クナッパーツブッシュは、ベートーヴェン交響曲第1番と5番のレコードのためのスタジオ録音を行わず、残されているのは上記を含むライブ録音のみである。 

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