2015年4月10日金曜日

●カイルベルトのマーラー交響曲第8番
 1960年ウィーン芸術週間ライブ


オルガヌム110053AL
マーラー 交響曲第8番
メリッタ・ムセリ、ゲルダ・シャイラー、ウィルマ・リップ(ソプラノ)
ヒルデ・レッセル=マイダン、ウルズラ・ベーゼ(コントラルト)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)
オットー・エーデルマン(バス)
フランツ・シュッツ(オルガン)
ウィーン楽友協会合唱団
ヨゼフ・カイルベルト指揮ウィーン交響楽団
1960年6月19日
ウィーン・ムジークフェラインザール
ライブ モノラル

ORGANUM
110053.AL
Gustav MAHLER
Symphony No. 8 in E flat major
"Sinfonie der Tausend"
Melitta Muszely (1. soprano/Magna peccatrix)
Gerda Scheyrer (2. soprano/Una poenitentium)
Wilma Lipp (3. soprano/Mater gloriosa)
Hilde Rossel-Majdan (1. contralto/Mulier Smaritana)
Ursula Boese (2. contralto/Maria Aeqyptiaca)
Fritz Wunderlich (tenor/Doctor Marianus)
Hermann Prey (baritone/Pater ecstaticus)
Otto Edelmann (bass/Pater profundus)
Franz Schutz (organ)
Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde Wien
Wiener Symphoniker
Joseph Keilberth (conductor)
19.6.1960, Grossersaal, Musikverein, Wien
"Wiener Festwochen 1960"
Recorded Live MONO
2CD set

※1960年ウィーン芸術週間におけるマーラー生誕100年を記念するライブ。この年の芸術週間では、クレンペラー/フィルハーモニア管によるベートーヴェン交響曲全曲演奏会や、ワルターによるウィーン・フィルとの「告別」演奏会も行われた。カイルベルトはマーラーの交響曲のスタジオ録音を残さず、この他に1番と大地の歌のライブ録音が現在までに確認されているのみ。カイルベルトの指揮とともに、早世した名テノール、ヴンダーリヒの歌唱にも注目される。
オリジナルの音源は、ヒスノイズ、ハムノイズ等が多く、リマスタリングにより鑑賞の妨げになるような傷は改善したが、ノイズを完全に除去すると音質を損なうおそれがあるため、一部の微少なノイズなどは残したという。また、録音テープ保管中の転写によるものか、弱音部などで同じ演奏?の他の部分がかすかに聞こえる箇所があるが、音質自体は悪くなく、前述のワルター/ウィーン・フィル告別演奏会よりクリアに録れている。膨大な編成にもかかわらず、独唱・合唱・オーケストラの録音バランスも適正。

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2015年4月1日水曜日

●ベイヌム/クリーヴランド ライブ 唯一の共演
 ベルリオーズ 幻想交響曲 ほか


プレミエ60026DF
ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
ラヴェル スペイン狂詩曲
ベルリオーズ 幻想故郷曲
エドゥアルド・ファン・ベイヌム指揮クリーヴランド管弦楽団
1955年12月22日
セヴェランス・ホール、クリーヴランド
ライブ、ステレオ

Premiere 60026DF
Carl Maria von WEBER
Overture to "Der FREISCHUTZ"
Maurice RAVEL
RHAPSODIE ESPAGNOLE
Hector BERLIOZ
SYMPHONIE FANTASTIQUE, Op.14
Cleveland Orchestra
Eduard van Beinum, conductor
22.12.1955, Severence Hall, Cleveland
Recorded Live STEREO

※1955年という、極めて早い時期のステレオ録音。マイクセッティングに不慣れなためか、左右の広がりに少し欠けるが、音質は鮮明で分離も良い。
当時コンセルトヘボウ管に客演したジョージ・セルが、返礼のため同管の常任指揮者ベイヌムを、自ら率いるクリーヴランド管に招いたという。その後も客演の招聘があったというが、ベイヌムの早世により、この演奏が両者唯一の共演となった。クリーヴランド管はセルによる常任9年目。セルの厳しいトレーニングにより一流オーケストラの仲間入りをしつつあった時期にあたり、米コロムビア(エピック)へのレコード録音も活発化していた。
ベイヌムは、スペイン狂詩曲を1946年英デッカにスタジオ録音、幻想交響曲を1946年と1951年英デッカにスタジオ録音していたほか、1943年独ポリドールにSP録音していたが未発売に終わったという。「魔弾の射手」序曲はスタジオ録音を残さず、このライブが現在確認できる唯一の演奏と思われる。

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2015年3月27日金曜日

●リヒテル 1954年クラクフ、1961年ブダペスト・ライブ 

 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番、リスト/ピアノ協奏曲第2番ほか

 


オルガヌム110039AL
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
リスト ピアノ協奏曲第2番、ハンガリー幻想曲
スビャトスラフ・リヒテル(p)
ボフダン・ヴォディチコ指揮クラクフ・フィルハーモニー管弦楽団
ヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立交響楽団
1954年11月12日、クラクフ・フィルハーモニック・ホール
1961年9月19日、27日、エルケル劇場、ブダペスト
ライブ モノラル

ORGANUM 110039.AL
Pyotr Ilyich Tchaikovsky
Piano Concerto No.1 in B minor, Op.23
Franz Liszt
Piano Concerto No.2 in A major, S.125
The Hungarian Fantasy for Piano and Orchestra S.123
Sviatoslav Richter, Piano
Cracow Philharmonic Orchestra, Bogdan Wodicko (Op.23)
Hungarian State Orchestra, Janos Ferencsik (S.125, S.123)
12.11.1954, Philharmonic Hall, Cracow (Op.23)
19/27.9.1961, Erkel Theater, Budapest (S.125, S.123)
Recorded Live  MONO

※リヒテルがポーランドとハンガリーに客演した際のライブ。1954年のチャイコフスキーは、当時の東欧の録音技術を考慮すれば良好な部類。西欧の基準では1940年代後半のレベルだが、テープ録音で破綻もなく、リヒテル壮年期の「凄さ」を実感できる音質。1961年のリストは、7年後の録音でもあり良好な音質。
リヒテルは1950年、チェコへ初めての国外演奏旅行を行ったが、亡命を警戒したソ連当局から西欧への演奏旅行は許可されず、1960年のフィンランド初訪問までの間、国外公演は旧共産圏各国のみであった。1954年のチャイコフスキーはポーランド公演の記録。2日前の11月10日にはワルシャワでリサイタルを行い、その際のショパンの録音が海外レーベルでCD化されている。1961年のリストは、9月にルーマニアとハンガリーをまわった際の記録。この年は7~8月に英国、10月にフランス(それぞれ初公演)と海外公演が続き、リヒテルが巨匠としての国際的評価を決定づけた時期の演奏。なお、ハンガリー幻想曲は、ブダペスト・フィルによる演奏とする資料もある。
リヒテルは上記CDのほかに、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を、1954年アンチェル/チェコ・フィルとスプラフォンに、1958年ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルとメロディアに、1962年カラヤン/ウィーン響と独グラモフォンにそれぞれスタジオ録音していたほか、1950年イワーノフ/ブルノ放送響(当レーベル・オルガヌム110020.ALでCD化)、1957年ラクリン/ソビエト国立響、1968年コンドラシン/ソビエト国立響とライブ録音していた。また、リストのピアノ協奏曲第2番を、1961年コンドラシン/ロンドン響と蘭フィリップス(本来の制作主体は米マーキュリーか)にスタジオ録音していたほか、この録音の直前に同じ共演者とライブ録音していた。ハンガリー幻想曲は、ピアノ協奏曲第2番と同じ演奏会のライブが残されている。当CDのチャイコフスキーの演奏は、数種あるリヒテルの録音の中でおそらく最速の演奏と思われる。

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2015年3月26日木曜日

●モントゥー/ニューヨーク・フィル ライブ

 ラヴェル「クープランの墓」、「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」

 


プレミエ60044DF
ラヴェル
「クープランの墓」、「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲
ピエール・モントゥー指揮ニューヨーク・フィルハーモニック
1959年3月7日
ニューヨーク・カーネギー・ホール
ライブ、モノラル

Premiere 60044DF
Maurice RAVEL
Le TOMBEAU de COUPERIN
RHAPSODIE ESPAGNOLE
DAPHNIS et CHLOE Suite No.1, No.2
New York Philharmonic
Pierre Monteux, conductor
7.3.1959, Carnegie Hall, N.Y.
Recorded Live MONO

※ニューヨーク・フィルとのラヴェル・プログラム。モノラルながら録音は優秀。このままステレオにしても通用する音質。
モントゥー/ニューヨーク・フィルは、我々日本人には珍しい組み合わせに見えるが、モントゥーは1927年に初めて同フィルに客演して以来、その後中断はあったものの、1943年以降1961年までほぼ毎年共演していた。特に、野外劇場ルイソン・スタジアムにおける夏のコンサートへの出演は恒例で、ニューヨーク市民に親しまれた。
当CDの1959年のコンサートは、三夜連続公演の3日目で、前半は「クープランの墓」、ヨゼフ・シゲティ独奏でバッハのヴァイオリン協奏曲ニ短調(チェンバロ協奏曲の編曲版)、「スペイン狂詩曲」が演奏され、後半は、再びシゲティ独奏でベルリオーズの「夢とカプリッチョ」、「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲が演奏された。
モントゥーは「クープランの墓」のスタジオ録音を残さず、現在確認されているのは当演奏のみ。「スペイン狂詩曲」は1961年英デッカにスタジオ録音、「ダフニス」全 曲を1959年英デッカにスタジオ録音、「ダフニス」第1組曲を1946年米RCAにスタジオ録音しているが、第1・第2組曲の形での録音は現在確認されてい る限り当演奏のみ。

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●クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルほか 1948年、1956年ライブ

 ベートーヴェン 交響曲第1番、第5番 1番は新発見


オルガヌム110024.AL
ベートーヴェン 交響曲第1番、第5番
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1948年9月11日、ミュンヘン大学講堂
1956年4月9日、ベルリン音楽大学講堂
ライブ モノラル

ORGANUM 110024.AL    
Ludwig van BEETHOVEN
SYMPHONY No.1 in C major, Op.21
SYMPHONY No.5 in C Minor, Op.67
Munchner Philharmoniker (Op.21)
Berliner Philharmoniker (Op.67)
Hans Knappertsbusch, conductor
11.9.1948, Aula der Universitat, Munchen (Op.21)
9.4.1956, Konzertsaal der Hochschule fur Musik, Berlin (Op.67)
Recorded Live MONO

※交響曲第1番は当レーベルが2012年に初発売。クナッパーツブッシュは同曲を戦前に3度ほど演奏した記録があるが、戦後は、当演奏を含む9月11日と12日の2回のみしか取り上げなかったと思われる。5番はこのほかに1962年フランクフルト放送響とのライブ録音が残されている。
第1番のオリジナルの音質は良好とは言い難く、ハムノイズやヒスノイズが音楽全体を重く覆っており、演奏も鈍重な印象があったが、今回のプレスから音質改善が図られ、音質に配慮しつつ、これらのノイズが大幅に低減された。その結果、やせ気味で貧相に聞こえた弱音部に豊かなニュアンスが感じられるようになり、多くの既出盤と比べて演奏のイメージが変わった。また、各所のドロップアウトやクリックノイズも解消されている。一方、第5番もヒスノイズが多い音源だったが、こちらも改善されている。
クナッパーツブッシュは、ベートーヴェン交響曲第1番と5番のレコードのためのスタジオ録音を行わず、残されているのは上記を含むライブ録音のみである。 

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